29歳の貧乏役者・俳優に届け。今のままで本当にいいのか?28で役者を辞めた、あるサラリーマンのつぶやき
どうもこんにちは、ミナミです。
あなたは今29歳ですか?
演劇をやっていますか?
そして今、お金がないですか?
僕は今40才で、28歳の時に役者を辞めました。
14歳の時に劇団に所属してから15年。そこそこの数の役をやったし、演出や舞台監督、照明スタッフや舞台美術などまで一通りこなしてきました。
この15年間、自分は将来絶対売れると思っていたし、疑ってもいなかった。
そして、「役者は幸せな結婚はできない」
そうなっても仕方がないと思っていた。
30歳を超えたらどうなるだろうか?
僕の役者を辞めたエピソードは別でまとめましたが
⇒ 役者を15年やって感じた不安 将来 結婚 子供 親 - ミナミのラボ
僕の場合、ふと不安が首を擡げたのは26歳のころ。このまま続けていていいのかなと思った。
どんどん結婚していく周りの友人。
どんどん役者を辞めていく同期。
子供が出来たと報告をくれる同級生。
学生の頃はあんなにお芝居に燃えていたのに、30歳が近づくとみんなどんどん一般人になっていく。
あなたは将来が見えていますか?
本当に大丈夫ですか?
もしかしてこのまま・・・?
40歳も超えて50歳も超えて、どこかで売れればいいけど、もしもそれでも売れなかったら…?
親が病気になったり、足腰が弱って老人ホームに入ることになったら?毎月15万~30万円の老人ホーム代。親の年金からだけでは捻出できません。
親もいるし、自分の事も考えないといけない。
30歳を前にするとさまざまな葛藤が出てくると思います。その葛藤。
正しいです。
30歳と言えば色々なことを考え始めなきゃいけない年齢。周りの友達もどんどん結婚していき、夢を追いかけ続けることがそろそろ許されない年齢に差し掛かります。
もちろん人それぞれ家庭環境もあるでしょう。
ですが、30歳を目前に控えたあなたの頭の中は不安でいっぱいでしょう。
あなたは超高確率で売れない
いきなり失礼な事を言いますが、あなたはほぼほぼ売れません。
29歳までお芝居をやってきて、今お金がない状態になっているのであれば、かなり高い確率で売れることが出来ません。俳優・女優で食べていくことは絶望的です。
これまでお芝居をやってきたあなたならわかると思いますが、お芝居の世界・役者の世界は実力が50%、あとの50%は運です。
巷の小さな小劇場で公演されているお芝居を観ても「この人めっちゃ上手い!」「この人の演技すごい面白い!」という役者さんによく出会います。
でも売れない。
ほとんどの人が売れるために必須の運を持っていないからです。
大器晩成型?将来花開く?俺の才能はまだまだこれから?
いいえ、お芝居の世界は最低限の実力があれば後は運がモノを言います。
たまたまあなたのイメージにぴったりの役柄の募集があり、
たまたまあなたがそれに応募できる環境であり、
オーディションで最低限の実力が発揮できる。
そんな運が最初は必ず必要なんです。
一部の天才はそういった垣根を難なく乗り越えていきますが、大変残念ながら、あなたは凡人です。
この記事を読んでいる時点であなたは凡人です。
もちろん30歳を超えてから売れる人もいます。
40歳を超えてから花開く人もいます。
でも、実際にテレビに出ている人で40歳や50歳の人は30歳の時点ですでにそこそこお芝居で生活をしています。
30歳の頃に貧乏をしていてその後に花開く人もいるでしょうが、本当にそういう人はごくごくわずか。
あなたは今はアルバイトをしていますか?
お芝居をしながら空いた時間でアルバイトをしていますか?
29歳でアルバイトをしながらいつか売れる日を夢見て役者をやっていますか?
だとしたら、出来る限り早く定職に就くことをおススメします。
特にあなたの年齢が今29歳なのであれば、早急に定職に就くことをおススメします。
29歳で売れていないなら定職に就くべし
何故29歳なのか。
それは世間の就職事情が20代と30代で大きく変わるから。
20代は未経験&素人でも就職しやすく、30歳以上は即戦力として求められるためスキルや経験が必要になってくる。
僕もそうだったからよくわかりますが、これまでの人生をお芝居に捧げてきたタイプの人だったら、パソコンは苦手ですよね?
正社員経験もないですよね?
その状態でも29歳なら就職できます。
30歳を超えると諸々厳しくなってきます。
あなたが動くのは「もう少し考えてから」ではありません。
今です。
定職に就くなら今なんです。
定職についてもお芝居は出来る
定職に就くことをおススメはしますが、僕が言いたいのは役者を辞めろと言っているのではなく、アルバイトを辞めて定職に就くべきだと言う事です。
サラリーマンをやりながらお芝居をしている人は多くいます。
平日19時以降に稽古をやって、金曜日が祝日の3連休で水木と有休を取って土日本番。月曜からまたお仕事。なんて感じで。
そういう道が嫌で役者をやっている人が非常に多いのもよく知っています。
僕もそういう道が嫌で嫌で仕方がなかった一人です。
ですが、定職に就くことのメリットも理解をしてください。
定職に就くことのメリット
収入が増える
あなたが今しているアルバイトは時給はいくらでしょうか。
ちょっと時給がいい所で考えて1,200円位としましょう。
一日7.5時間働いて、週5日勤務。さて、月給はいくらでしょう。
1,200円×7.5時間×週5日×4週=18万円
高時給の所で週5日でガッツリ働いてこれくらいでしょうか。
ここから健康保険や税金を支払っていったら多くて月15万円位でしょう。
定職に就くと、この数字を軽く超えます。
20代後半の若者であっても、月給は安くて20万前半。高い所だと20万後半の所もあります。
実際には諸費用(社会保険等)を引かれて手取りはもう少し少なくなるでしょうが、税金と年金を会社が半分持ってくれるので、実は実際にもらっている額は額面よりも多くなるんです。
参考:給料計算
<給料が22万円だった場合>
給料:22万円
健康保険料:10,956円
厚生年金保険料:19,610円
雇用保険料:800円
所得税:3,825円
住民税:8,275円
手取り合計:176,534円
こう見ると貰える給料が22万で実際に手に入る金額が17万6千円くらいと思いますよね?
ですが、実は会社は社会保険(健康保険料+厚生年金保険料)を同額国に支払ってくれています。
なので、実際にもらっている給料は22万円+10,956円+19,610円=250,566円。
さらにここに退職金の積み立てが入ります。
これは会社によって本当に様々で、最低勤続年数が設けられている所も多いですが、入った当初は大体月1万円~1万5千円位積み立ててくれます。
なので、少なく見ても月1万円のプラス。
つまり、給料が22万円となっているのに、実は26万円位を会社はあなたに支払ってくれているんです。
これは給料が高くなればもっと大きくなります。(税金の金額が上がるため)
定職に就いて普通に働いたら、仮に今200万円位の借金があった場合でも2年位で完済することもそんなに難しいことではありません。
実際に僕は定職に就いて年収が200万円ほど増えました。
その時の話はコチラ↓
役者(アルバイト)から正社員に転職して年収が200万円アップした話 - ミナミのラボ
扶養を考えることが出来る
あなたが結婚して奥さんが出来た場合、奥さんにももちろん健康保険が必要です。
その奥さんの年収が103万円までであれば、奥さんの保険料は支払う必要がありません。
あなたの保険料の支払いだけで、奥さんも健康保険が使えるようになります。
仮に独身で年収100万円だった場合、健康保険を利用するための年間の保険料は約6万円です。
これを支払う必要がなくなるんです。
出世を考えることが出来る
20代で定職に就いていれば出世街道に乗れます。10年働いて30代で課長、40代・50代で部長も可能でしょう。
そして一般的に課長にまでなっていれば、一家四人くらいは食べさせていくことが出来ます。
子供二人を高校まで行かせてあげることはできますし、生活や節約、奥さんの助けによっては専門学校や大学まで行かせてあげる事も可能です。
29歳で定職について、31歳で結婚。32歳で子供が出来たとして、子供が高校を卒業するのは18年後の50歳の時。
その時、部長くらいまでなっていれば、もう一家の生活は安泰です。
退職金もかなり望めますし、年金もちゃんともらえます。
周りの人間が安心する
これはそんなに大きなことではないのかもしれません。
ですが、あなたの親御さんがかなりのお金持ちや役者でなかった場合、ほぼ確実に大きく安心されます。
「定職についてくれた。よかった。」と心の底から安心されます。
僕にとっては割とこれが大きく、14歳の頃から役者人生を猪突猛進してきた自分にとって、親を安心させたいという気持ちは非常に大きかったです。
なので出来るだけ早く売れたかったのですが、15年やっても売れることはできませんでした。
僕は28歳で定職に就く事を選択したのですが、現在サラリーマンをしながら結婚して、持ち家をもって、子供二人を連れて親の家に遊びに行くと、もう孫にメロメロのおじいちゃんがいます。
喜んでいる父を見て、「本当に良かった」と思えるのです。
社会的信用を得る(ローンに通る)
役者は社会的信用が皆無なので、例えば家を買うときなどにローン審査に通りません。
ですが定職についていると割と簡単に通ります。
就職後3年~5年位でも、定職に就いていて35歳未満であれば3000万円位のローンを組むことが可能。(年収・年齢・借金による)これも大きい。
今あなたが20代で、今定職に就いて5年ほど働くと、家を買うことが出来るレベルの社会的信用を得ることが出来るんです。
どうです?あなたの「サラリーマンなんて退屈な人生を歩みたくない!」という気持ちだけで棒に振るにはメリットが大きすぎやしませんか?
親孝行したい時には親はなし 石に布団は着せられず
実は僕自身、20歳の頃に母親を亡くしています。
母親には親孝行をすることが出来ませんでした。
母親が危篤になった時、僕は東京で舞台に立っていました。
本当に幸いにも何とか看取ることは出来たのですが、タイミングがずれていたら親の死に目にも会うことが出来なくなるところでした。
その時はさすがに役者って怖い職業だなと少し思いました。
さいごに
あなたの事をよく知らずに「あなたは高確率で売れません」と大変失礼な事を言いましたが、実はこの言葉をただ言い換えただけです。
「役者として成功するのは極めて難しい」
あなたも知っているハズです。
役者を目指している星の数ほどの人の中から本当に一握りの中のさらに一握りの人だけが成功することが出来る世界です。
あなたが今まだ20代なのであれば、人生を演劇に捧げるのはもう少し考えてみて、一度定職に就くことを本当におススメします。
一度社会に出て、それでもダメだったら、そこでまた判断して、今度は社会人を辞めてみるのも一つの手でしょう。
※演出家をやっている友人が言っていたことでもあるのですが、演者としても一度は社会に出た方が味が出るらしいです。
ですが、それも20代だからこそ可能な事。30代になると難しくなります。
今、すぐに動きましょう。心から応援します。
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10年後、20年後に後悔しない生き方を選んでくださいね。